握力トレーニングは「クランプセット」だけでもいい

こんにちは、握力100kg超えのおっさん 黒ココアです。

 

今回はグリッパーを使った握力の鍛え方についてです。

COC等の高強度のグリッパーで握力を鍛える時に普通にフルレンジで握ろうとすると以下のようなポジションになります。

指先しか掛かってない!  これじゃあ力が入れにくいですね。

私の手の大きさは中指の先から手首のしわまで19.5㎝なので日本人の手の大きさとしては決して小さいわけではないですがこんな感じになっちゃいます。

そこでもう片方の手で途中まで補助してやる「セットクローズ」を行う訳ですが、セットクローズだとセット技術が必要です。

しかもある程度の技術を習得したとしてもいつも同じ具合でセットが出来るとも限りません。セット位置が1㎜ずれただけでかなり閉じる時の難易度は変わってしまいます。

 

そこで使えるのが市販のホースクランプを使った「クランプセット」

クランプを使ってグリッパーのハンドル幅を握りやすい位置まで狭めるやり方で、握力上級者のトレーニーにはお馴染みの方法となっています。

握力100kg超えの私も、このトレーニングにはかなりお世話になっています。

メリットを上げると

①握る幅をミリ単位で調整できる。

②セット技術やセット制度に影響されない。

③勢いよく握ることが出来る。

この3点を順を追って説明します。

 

先ず①の握る幅をミリ単位で調整できるという点

ある程度握力を鍛えたことがある人なら分かると思いますが、高強度のグリッパーは握り始める位置によって難易度が大きくかわります。

完全に開いた状態から閉じる、いわゆるノーセットクローズやフルレンジクローズが最も難易度が高く、この方法でCOC.No2以上を閉じようと思うとかなり困難です。

ただNo2をフルレンジで閉じる練習をひたすら行うよりもNo2.5あるいはNo3を握りやすい幅まで狭くして握る練習をした方が握力トレーニングとしては効率的です。

クランプを付けることによってグリッパーによるトレーニングを「ミッドレンジ種目」つまり高負荷を扱える種目にすることで最大筋力の向上が出来るわけです。

と、ここまでは片方の手を使ったセットクローズにも言えることですが、クランプの場合は更に「好きな幅にミリ単位で設定できる」ということが大きな違いです。

ミリ単位で設定できることによって難易度を細かく調整できるという大きなメリットに繋がります。

力の入りやすいポジションを細かく調整してトレーニングすることは出力アップには重要です。

 

次に②セット技術やセット制度に影響されないという点

片方の手でセットするやり方は「人の手」でセットすることになります。

先にも触れましたが、人の手でセットするということは当然その人のセット技術にも影響されますし、セット技術が優れている人であっても毎回㎜単位で制度が高いセットが出来るとも限りません。それどころかセットをミスって盛大にずれてしまうこともあります。

私もセットが上手い方ではありませんが、たまにミスってズレてしまい全然閉じれない!なんてこともざらです。上手くセット出来たと思ってもギリギリの強度のグリッパーだと閉じれたり閉じれなかったりします。

その点、クランプセットはクランプという「機械」を使ってセット幅を固定してやっているので㎜単位での調整を正確に行えます。

正確にセット幅を調整できるということは常に一定の条件で握ることが出来るということです。

強度が高くなればなるほどセット時のズレる可能性とズレた時の難易度のブレは大きくなりますから「一定の条件で握れる」というメリットも強度が上がれば上がるほど大きくなってくるわけです。

常に一定のセット条件に出来るというメリットを利用して定量的に自身の握力の成長度合いを記録していきましょう。

 

次に③勢いよく握ることが出来るという点

力を抜いた状態から一気に力を入れると爆発的な力が出せる。という経験がスポーツ経験者ではあるかと思います。

私は学生時代は陸上部で円盤投げをやっていましたが、いかに投げるまでの動作で勢いをつけるかを気にしていた記憶があります。

これは、いわゆる筋肉の発火頻度が高くなるからです。

発火頻度が高くなると筋肉を一斉に収縮させる割合が大きくなるので最大筋力を無駄なくグリッパーの負荷にぶつけてやることが出来ます。

無駄なく握力を出力することによって、トレーニングの質の向上と筋肉の神経系出力の向上が狙えます。

普通のセットクローズだとセット位置に持ってくるまでに力を出しちゃったりしてますので発火頻度は落ちてしまいます。

 

以上のような理由でクランプセットは非常にお勧めの握力トレーニング種目となります。

というかこれだけやってても良いくらいです。(認定を狙う場合は別)

 

トレーニング例

No3のセットクローズを目標にしてる人の場合(あとすこしで閉じれそうな場合)

No3を20㎜から開始して21㎜、22㎜と広げていき35㎜になった時点で通常のセットクローズに挑戦してみる。というのも一つのトレーニングの流れとなります。

またはNo2.5の20㎜の回数を狙ってみるというのもいいかもしれません。長期的な成長を期待する場合は回数握りは筋肥大に繋がります。

いろいろとご自分で工夫して自分にベストなトレーニングメニューを作ってみて下さい。

 

その他、デメリット等

デメリットとして、クランプを装着してグリッパーを長時間放置していると強度が落ちる

というのがありますが、確かにクランプを装着して長時間置いておくと新品より強度は落ちてしまいます。

ただ私の経験上「そこまで気にするほど大幅には下がらない」です。

グリッパーがもったいないと気にする人は強くなれません。

どうしても気になる場合はもう一つ同じ強度のグリッパーを買っちゃいましょう。

 

あと、たまに極端な狭い幅にセットしている人がいますが20㎜以下の幅に設定してしまった場合は単に難易度が下がるだけなのであまりお勧めしません。

例:強度166kgのCOC.No4でもクランプで5㎜とかに設定してしまうと、ハンドルのしなりだけで閉じれたりしてしまいます。

こうなるとただの見栄を張るだけのトレーニングになってしまいます。

最低でも15㎜まででしょうか…

 

以上、ぜひクランプトレーニングをまだやっていないという方は取り入れてみて下さい!